「見せしめ」を逆手に取る

この前ある大学生と話す機会があった。

高校生の時に、携帯電話禁止の校則に対して、それはおかしいんじゃないかと声を上げたらしい。そうすると、教師から詰め寄られ、否定されることになる。学校からは疎んじられる。

そういう姿を見て、友達にも距離を置いて行かれたらしい。

 

みんな「携帯禁止の校則」がおかしいことはうすうすわかっている。しかし、正しいことを主張すると、力によって押さえつけられ、虐げられる。それが見せしめとなり、誰も正しいことを言わなくなるのだ。

まあ村八分という言葉がある我が国日本では伝統的なことなのかもしれない。

 

職場においても同じだろう。

残業代を払わない会社がおかしいことはだれでもわかっている。しかし、言うといじめられるんじゃないか、首になるんじゃないか、そういう妄想に掻き立てられ、誰も正しいことを言えないでいる。

 

しかしながら、労働の場においては、先の教師と生徒のような力関係は存在しているが、しかしながらこの力関係を解消することはできる。聞いたことのある言葉で、「団結権」というものである。これを行使すれば、教師と生徒の関係ではなくなるのである。

 

これを実現して有名になったのが、たかの友梨ビューティクリニックと闘争したユニオン(労働組合)である。

 

幸いなことに現代では、ワタミゼンショーグループを始めとするいわゆる"ブラック企業”に対する風当たりが強くなってきた。”ブラック企業”のレッテルを貼られると、客が離れていくという減少が起きている。たかの友梨ビューティクリニックも、あの問題を放置していたら、とんでもない客離れに見舞われたであろう。これも現代の「見せしめ」と言っていいだろう。

 

そして闘争の結果、たかの友梨ビューティクリニックはマタハラ解消宣言なるものを出すこととなる。

https://www.takanoyuri.com/20150219_01.pdf

 

「見せしめ」で業績悪化を恐れた会社は、このような対応を取ることがわかった。ワタミも脱ブラック企業を宣言したばかりである。

 

今までは「見せしめ」は労働者が受けるものであった。しかし、一人ひとりが問題を認識し、正しいことを正しいと団結していうことができれば、「見せしめ」を逆手に取ることができるということがわかった。

 

しかしながら、実際に行動するのは本当に難しい。

 

行動することは難しいが、虐げられて嫌々働いている方々には、こういったやり方があるということだけでも理解して頂ければと思います。