ワタミ和解金支払いにコメント

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―居酒屋チェーンを経営するワタミ子会社の正社員だった森美菜さん=当時(26)=が2008年に過労で自殺したのは会社の責任だとして、両親が会社側に損害賠償を求め東京地裁に起こした訴訟は8日、ワタミ側が約1億3千万円を支払い、謝罪することで和解が成立した。―

 

ブラック企業の代名詞』とも言われるワタミですが、なんと過労の末の自殺者の遺族に訴えられてまして、先日和解が成立したようです。1億3000万円という非常に高額な金銭解決という内容となりました。

 

実は和解金自体はあまり会社にとって痛手ではない

『使用者賠償責任保険』という保険をご存知でしょうか。

お仕事中のケガ、うつ病による自殺や過労死などの労災事故で、従業員など(加入者に限ります)からの訴訟などにより、会員企業やその役員が法律上の賠償責任を負った場合の賠償金・弁護士費用などをお支払いする制度です。
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 別に宣伝ではありませんので!

実はこの保険に入っていれば、裁判にかかった費用、損害賠償、解決金などが補償されます。まさにブラック企業であれば喉から手が出るほど欲しい保険ではないでしょうか。この中には判決による賠償はもちろんのこと、途中で和解に至った場合でも補償されます。

 

ワタミがこの保険に入っていたのかどうかはわかりませんが、おそらくあの手の会社であれば入っていてもおかしくありません。

ワタミに対して「ぷっwブラックざまあwww」なんて思ってる方もいらっしゃるでしょうが、実はワタミには痛手はありませんでしたみたいなことも大いにあり得ることを知る必要があるでしょう。

 

むしろ痛手は風評被害

この手の裁判等で一番企業が恐れるべきは、風評被害のほうでしょう。

7522 ワタミ(株) (ワタミ) チャート :日経会社情報:マーケット :日本経済新聞

株価だけの単純な評価だけでも、ここ5年は株価がダダ下がりです。もちろんそれ以外の要因もあるでしょうけども、『ブラック企業』というレッテルの元で売り上げが下がった例として未来永劫語り継がれることは避けられません。

 

今後企業活動においては、労務管理の怠慢が売り上げに響くということを肝に銘じなければならない時代が来ているのではないでしょうか。